選挙の不思議

  わたしの住んでいる地域の衆議院議員選挙では、長い間、自由民主党と立憲民主党の同じ議員が勝ったり負けたりを繰り返している。多くの場合、負けた側も惜敗率で復活している。つまり、有権者の保守とリベラルがほぼ二分されているのである。ということは、かなりの数が、非共産リベラルに属しているはずである。この地域には、大きな企業があるわけではないので、特定企業の労働組合の組織票は存在していないから、組織票ではない。この傾向は、次回の衆議院選挙でも続くと見込まれる。

 そこで、今回の都議会議員選挙である。今回の候補者は、自民一人、都民ファースト二人、犀星への道(いわゆる石丸新党)一人、共産党一人である。定員は3。激戦なのだろう。しかし、これを見てもわかるように、共産党以外は全部、保守である。これでは、参院や奈良、和歌山の選挙ではないかと思う状況である。立憲民主党、生活者ネット、リベラル系無所属の候補者は一人もいない。地元に半数近く存在するはずの非共産リベラルの票は、はじめから選択肢を失っている。市議会戦況ではなく、都議会選挙である。直後に参議院選挙が控えている。それなのに、この状況なのである。

 おそらく、立候補しようとする人がいないのである。都議会議員の報酬は、一定の水準である。。それなのに、非共産リベラルの候補者がいない。これは、あきらかに異常な事態である。おそらくは、現在の選挙制度が、選挙民の傾向を反映できなくなっているのであろう。つまり、選挙制度の欠陥の露呈、いわゆる民主主義なるものの劣化を示している。これは、非共産リベラルの人々にとっての不利益という問題ではない。選挙制度が現実を反映していないということは、選挙制度そのものの危機と考えるべきである。

 もっとも、考え直せば、現実に対応していないのは、自民と立憲が二分している衆議院の方かもしれない。こちらのほうが、時代遅れの制度の結果なのかもしれない。


 いずれにしても、この猛暑である。投票率の低下が心配される。(このような状況では、低投票率が悪い、と決まったものでもないのだが。)


2025/06/22


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