見慣れぬ漢字
中国語の教科書を読んでいたら、次のような例文にでくわした。 那个店拉面馋得每天不少人排长队. この文の意味は、「あの店のラーメンは、毎日長い列ができるほどのおいしさです。」というものである。(『口を鍛える中国語作文・中級編』)麺、長と隊が簡体字になっている。そして、見慣れない文字が、「馋」という字である。この字、漢和辞典にでていない。画数が多いが簡体字なのである。この文字、繁体字であっても、小型の漢和辞典には出てこない。この字の繁体字は、「饞」とい字である。この旁は、讒言の「讒」という字と同じである。意味は、「食べたがる」とい意味らしい。形容詞である。この字が簡体字になったのは、この言葉が使用頻度が高いからだろう。収録語彙一万語レベルの入門用の中国語辞書にも収録されているのである。なるほど、教科書の例文に出てくるのも当然である。 この簡体字の旁の文字は、先週紹介した『識字快車』によると、食偏の他に、言偏と手偏の文字が出ている。言偏は讒言の「讒」である。手偏は割り込むという意味らしい。繁体字のままの字は、『識字快車』には収録されていない。『新華字典』にはわずかに金偏の文字だけが収録されている。この旁の文字には、他に山偏、口偏、糸偏などの文字があるらしい。しかし、これらの字は、小さい字書にはでていない。 それにしても、三つの字に簡体字を作る必要があったのだろうか。しかも、字体が奇妙である。まあ使うのは、「饞」と「讒」とい字だけだろう。この旁を伝統的な字にしておいてもさしたる負担はなかったのではないか。わざわざ、字体を変える方が、余計な負担だったのではないか。簡体字も、日本語の新字体も、変更したことによって余計に面倒になってしまったのではないだろうか。(もちろん、簡体字も新字体も便利なこともあるのだが。) 2026/04/19