台湾語の音声入力
中国語を勉強し、現地へ行って、その成果を試そうとすると、大抵の人の大きな失望にであう。正式に発音を習った人は別にして、自分で学習したような人が、現地で中国語を話しても、ほとんど通じない。それは、驚くほどで、わたしも自分で体験したことである。少しは通じるだろうと思ったが、一ことも通じなかったのである。 その後、台湾に一年行くことになり、中国人の先生に発音を主に勉強し直した。先生にしょっちゅう、例文や単語を発音しては、「これで通じますか?」と質問したものである。先生は、ちょっと不安そうな顔をして、「まあ、大丈夫じゃないですか」と答えてくれた。その成果は、台湾へいって、すぐに現れた。タクシーの運転手に「台北駅へ行ってくれ」というと、無事に通じたのである。 このように、中国語の発音は難しいのだた、現在では、じつに便利なツールがある。それが、音声入力である。中国語の入力をできるようにして、マイクのマークをタップすると、中国語の音声入力が可能になる。この場合、発音が正しくないと、アプリは遠慮なく、意図せざる候補を提示してくる。わたしの中国語では、しょっちゅう、こういう事態が起こるが、それでも、頑張って練習すれば、まあなんとか正しく変換される。人間と違って、アプリはいくら間違っても怒ったりしないので、自分が根負けさえしなければ、練習を続けることができる。 このように便利な音声入力だが、台湾語にはこの機能をもったアプリがなかった。そもそも、台湾語には、無料の翻訳アプリは存在しない。グーグル翻訳にも、台湾語はない。ところが、今年になって、台湾語の音声入力を可能にするアプリが登場したのである。 「臺灣台語輸入法」という漢字表記不統一な名称のアプリである。このアプリ、開発、提供が台湾政府の教育部、つまり、文科省に当たる役所である。教育部は、台湾語のオンライン辞書も提供しており、大体の辞書アプリもこの辞書のデータを利用している。台湾語教育に熱心なのである。「輸入法」というのは、日本語の入力法、ということで、そもそもは台湾語の入力アプリなのである。ただし、台湾語の入力アプリ自体はすでにあり、このアプリが特に衝撃的ということはない。ところが、今度のアプリは、音声入力が可能なのである。これは、かなり衝撃的である。わたしは、その存在を最近しったのだが、すでにかなり話題になって...