河鍋暁斎展を見てきた
河鍋暁斎の展覧会が開催されているということで、六本木のサントリー美術館へでかけた。この展覧会は、海外のコレクターの収蔵品を陳列したものである。ちなみに、河鍋暁斎は、幕末から明治の前半まで活躍した日本画家である。 河鍋暁斎の作品には、けっこうあちこちで出くわす。そうした完勝をとおして、わたしの中には、曉斎という人のイメージが二つに分裂していた。その一つは、漫画的な雰囲気のある風刺画である。明治のさまざまな事件、風俗を対象としており、歴史の本でもよく引用されている。もう一つは、仏教画で、あちこちの寺院に曉斎の作品が収蔵されている。こちらは真摯な宗教画である。 わたしの中では、なんとなく二人の曉斎がいるような気分だった。それが今回の展覧会を見て、解決した。曉斎は、この二つの領域だけではなく、じつに多様な種類の作品を残しているのである。彼は、筆が速く、依頼があれば、気軽に多くの作品を残したと見える。したがって、先の二つは、曉斎における重要なジャンルではあるものの、その二つを飲み込んで、多様な作品を残している。その数も膨大である。海外のコレクターがかなりの数の作品を持ち出しても、国内にまだたくさんの作品が残っているのである。 曉斎は、絵のうまい画家だが、重厚な作品を残すタイプではない。どこか、マイナーポエットの雰囲気がある。それだけに、気楽に楽しめる画家である。また、絵を描くことの楽しさがよく表現されている。 ところで、わたしは、この人の名前を長い間、ギョウサイと発音してきた。ところが展覧会の看板を見ると、Kyosaiと書かれている。キョーサイと発音するらしい。展覧会の説明を読んでいたら、この人が若いときは狂斎という号を名乗っていたことをしった。その後、その表記を曉斎に変えたのである。したがって、発音はキョーサイなのである。 これには、驚いた。 2026/05/03